「旅する小舟」 作者:ペーター・ヴァン・デン・エンデ 作者のペーター・ヴァン・デン・エンデは1985年ベルギー生まれ。2019年フランダース圏内(オランダ、ベルギー)で「旅する小舟」を発行し、2020年「ニューヨーク・タイムズ」と「WSジャーナル」のベストブックに選ばれました。日本では2021年に求龍堂より発行されました。
目次
小舟が世界を旅します
「旅する小舟」は絵本の版型が少し大きく迫力があります(23.2 x 1.2 x 30.5 cm)、文字は無し、絵はモノクロのペン画です。
物語は2人の人間(?)が紙で小舟を作り、海に放つシーンから始まります。小舟はマングローブが茂る南の海から、オーロラ、氷山のある北の海まで、様々な場所を旅します(航路は巻末に掲載されています!)。途中、魚や鳥、そしてたくさんの奇妙な生物たちに出会い、目的の街にたどり着きます。
描画の美しさに圧倒され、見るたびに新しい発見があります
読むとまず描画の美しさに圧倒されます。絵が細かく、高密度に描き込まれていて、見るたびに新しい発見があります。ここに魚がいたのか!とか、このイカ、墨の瓶を持ってる!(なんで?)とか。絵の情報量が多く見ていて飽きません。
また小舟と比較することで対象物の大きさが分かるように描かれています。タンカー、クジラ、イカ、マンボウなどその大きさには目をみはりました。単純にでかい!は感動します。
時を置いて眺めては、自分なりの解釈を探しています
この絵本は大人でも楽しめ、私も何度も読み返しています。寝る前のまったりとした時間にパラパラと眺めるのも良きです。
「旅する小舟」は何度読んでも新しい発見があり、同時に新たな謎も発見します。自分なりの解釈に落ち着くまで、まだまだ楽しい時間が続きそうです。